試験研究内容
<2025年度研究概要>
1.かいよう病抵抗性の系統開発及び黒点病抵抗性の育種素材の開発(国補・2023~2025年)カンキツの農薬散布の労力、コスト低減を可能とする品種開発の中で、かいよう病に抵抗性を持つと考えられる選抜品種について現地での抵抗性評価を行うとともに、各品種における黒点病の抵抗性を評価する基準を検討し、育種素材開発を進める。
参画:農研機構、鹿児島県


2.輸出カンキツの腐敗果低減技術の確立(県重点事業・2024~2026年)
紀南地域で取り組んでいるカンキツの輸出は、その品質が評価され、輸出先からのニーズは高いが、輸送や流通時に生じた腐敗等によるロス果が問題となっている。発生要因は栽培管理、輸送時の温度・湿度条件、収穫以降の取扱いで発生する傷など、多岐にわたることから、生産、収穫、選果、流通の各段階で原因を調査するとともに、効果的な軽減策を検証する。
連携先:JA伊勢、紀州普及センター

3.輸出植物検疫に係るエビデンスの構築委託事業(国委託・2025年)
紀南地域で取り組んでいるタイ王国向けカンキツ輸出では、病害虫の侵入を防ぐための検疫措置が相手国から求められている。しかしながら、求められている検疫措置は、果実の鮮度保持への悪影響が指摘されており、輸出量拡大の障害となっている。そこで、鮮度保持への影響がより少ない新たな検疫措置手法の検討を行う。
連携先:農研機構、愛媛県等
従来の予察灯による調査は捕殺虫の判別と計数に時間と労力を要し、情報提供に時間がかかることが課題となっている。そこで、AIによる画像判定を用いたスマート害虫モニタリングシステム(LED光源)を設置し、害虫判別・計数を省力化・迅速化することで予察情報提供の円滑を目指す。
連携先:三重県病害虫防除所


5.みえブランドカンキツ品種等の産地強化支援技術の開発(室長認定・2024年)
土壌伝染病害に対抗できるブランドカンキツ品種の選抜、次世代につなぐ省力的な栽培体系の開発、現場で問題となっている各種病害虫対策技術の開発、産地戦略品種の改良と開発、害虫モニタリングシステムの実証等に取り組む。



6.東紀州地域の高品質カンキツ生産を支える新しい品種の適応試験(委託研究・2024年)
農研機構で育成されたカンキツの東紀州地域での適応性を検討する。 連携先:農研機構の県内栽培の可能性を調査し、栽培が可能か明らかにする。